- 保温工事の基礎的な知識を知りたい
- 保温工事の仕事内容について知りたい
- 保温の仕事に携わってみたい
保温工事とは具体的にどんな仕事なのか、実際に仕事をしてみないとなかなかイメージできないですよね。
そこで、保温工事を創業40年、400件以上施工してきた「有限会社沼島工業」が保温工事の概要について網羅的に解説します。
この記事を読むことで、保温工事全体の知識を深めることができます。
保温工事とは設備を温度の影響から守る工事
保温工事とは、配管、ポンプ、ダクト等の設備にグラスウール、ロックウール、板金などを取り付ける工事です。
保温を取り付けることで、設備の中の温度を一定にし、結露・凍結を防ぐことができます。
蒸気が流れている配管においては、保温を取り付けることで、火傷を防止することも可能です。
また、熱エネルギーの損失を小さくできることから、省エネ・コストカットにも効果があります。
身近な例で言えば、家にあるガス給湯器につながっている配管をご覧になってください。
一般的にはその配管には、軽い素材でできた保温材がついているはずです。
給湯器で温めたお湯の温度を下げることなく、シャワー室やキッチンの蛇口から出すためです。
このように、設備の中の温度を一定に保つことが保温工事の役割となります。
保温工事で使用する材料は「グラスウール」「ロックウール」「発泡スチロール」
保温工事において使用する保温材は以下の3種類が一般的です
- グラスウール:主にリサイクルガラスを原料とした保温材
- ロックウール:主に岩石を原料とした保温材
- 発泡スチロール:石油から作られたポリスチレンを原料とした保温材
グラスウール、ロックウールは家の壁、屋根などの断熱材としても使われる保温材です。
保温材の種類 | 価格 | 耐水性 | 耐火性・耐熱温度 |
グラスウール | 安い | 水に弱い | 弱い(約200℃) |
ロックウール | 高い | 普通 | 強い(約600℃) |
発泡スチロール | 高い | 水に強い | 弱い(約70℃) |
高温の設備の保温工事おいては、ロックウールを使用することが多いです。
保温工事の種類【保温板金工事・保温保冷工事・熱絶縁工事・断熱工事】について
どの工事も似たような工事ですが、使い分けについては以下のとおりです。
- 保温板金工事:配管の保温材取り付け後に保温の周りに板金を取り付ける工事。ラッキングとも言います。
- 保冷工事:常温以下の冷たいものを冷たいままに維持する工事。防湿、結露防止の役割も持ちます。
- 熱絶縁工事:保温工事・保冷工事の正式名称。建設業許可の名称や官公庁の工事でよく使われる言葉。
- 断熱工事:保温工事と同様。一般的には家の壁・天井などを断熱する工事に使われる言葉。
発電所、工場などのプラントにおいては、一般的に保温取付けから板金取付けまでを行います。
板金を取り付けることにより、保温性と防水性を高めることが可能です。
保温板金工事(ラッキング)で使用する材料は主に3種類
保温板金工事で使用する板金としては以下の3種類が一般的です。この板金はラッキングカバーとも言います。
- カラー鋼板:亜鉛メッキ鋼板に塗装したもの。
- ステンレス鋼板:SUS304で耐食性に優れている。表面が鏡のようになっているのが特徴。
- ガルバニウム鋼板:主にアルミニウムと亜鉛を使用した鋼板。
屋外で錆が発生しやすい現場には「ステンレス鋼板」。屋内の場合は「カラー鋼板」「ガルバニウム鋼板」を使用することが多いです。
保温板金工事の手順について
配管保温工事の主な手順は以下のとおりです。
保温工事の手順
- 設備に合わせて、保温材をのこぎり、ハサミ、ナイフ、カッターなどでカットする
- 保温材を設備に取り付ける
- 保温材をテープ、フィルム、防水紙などで覆う
- 板金(ラッキングカバー)を取り付ける
- 板金の隙間をコーキングで埋める
保温板金工事(ラッキング)については、下記のページでさらに詳しく解説しています。
>>保温工事のラッキングとは?配管断熱のプロが丁寧に徹底解説!
詳しい施工要領を知りたい方は下記の記事を御覧ください。
>>保温工事仕様書・施工要領書作成はこの記事で解決【標準仕様書まとめ】
保温工事の資格は「熱絶縁施工技能士」
保温工事に関する資格としては、厚生労働省が定める国家資格として「熱絶縁施工技能士」があります。
種類は以下の通りです。
資格種類 | 受験資格 |
熱絶縁施工技能士1級 | 7年以上の実務経験。または2級合格後、2年以上の実務経験 ※学歴による |
熱絶縁施工技能士2級 | 実務経験2年以上 ※学歴によっては経験年数は不問 |
とはいえ、必ずしも資格がなければ保温作業ができないわけではありません。
熱絶縁施工技能士は大規模の保温工事において、常駐を義務付けられたり、職長として工事に参加する際に必要な場合があります。また、熱絶縁施工技能士は専任技術者となることができるため、建設業工事においては大変有利です。
有限会社沼島工業は熱絶縁施工技能士1級取得者が在籍しています。ぜひ弊社で実務経験を積んだ上で、受験してみてはいかがでしょうか。
保温工事の建設業許可は「熱絶縁工事業」
建設業許可とは、建設工事を請け負う際に必要な許可です。建設業法第3条に定められています。
許可は国土交通省または都道府県知事が行います。
また、工事金額および工事の種類によっては、建設業許可がいらない場合があります。
とはいえ、基本的には税込み500万円以上保温工事を請け負う際は「熱絶縁工事業」の建設業許可が必要となります。
保温工事の求人について【経験・未経験者大歓迎】
有限会社沼島工業は保温工事の事業拡大に伴って、保温施工スタッフを募集しています。経験、未経験は問いません。弊社熟練のスタッフが優しく、丁寧に指導致します。現場の雰囲気もよく、楽しく保温のプロフェッショナルを目指せます。
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